最近の金融関係トラブルと、安全なサービス

「まさか自分のお金が勝手に引き出されていたなんて!!」

最近よく聞くトラブルです。
TVなどでも大々的に報道されますのでご存知な方も多いと思いますが、これはシステムや運用の問題ではないのか、とお怒りになる方もいらっしゃいますがまさにその通り、実際にシステムや運用の問題なのです。この記事ではそれについて書いてみようかと思います。

実は日本の銀行システムは世界から怒られまくっている

 

実は金融、特に銀行に関して日本は世界から怒られまくっていて特にFATF(ファトフ、或いはファタフ)から怒られています。
この組織は一般の方は知らない人が多いのですが、こと金融に関わる仕事をしている人間にとっては非常に怖い組織です。

ざっと説明しましょう。
FATFとはFinancial Action Task Force on money launderingの頭文字を取ったもので、日本語にするとマネーロンダリングに関する金融活動作業部会です。金融活動作業部会ともいわれます。
何をしているかというと、テロリスト、或いはテロ支援国家に資金を調達させないために活動しています。21世紀は対テロ戦争の時代と言われていますので、世界平和にとって非常に重要な組織なのです。
いくらテロリストとはいえ、活動資金がなければ何も出来ませんからね。

さて、日本みたいな平和な国がなぜそんな組織に怒られているのかと言えば、銀行のシステムに問題がありました。

・身分の不透明な人間でも口座を作れてしまう点
・反社、或いは犯罪者でも簡単に銀行口座を作れてしまうシステム
・テロリスト、或いはテロ支援国家にも簡単に送金できてしまう

大まかにいうとこの3点が大問題です。
例えば某元国営〜〜貯金は他人が自分の口座を作れてしまったりします。これは大変な問題点で、マネーロンダリング、つまり資金洗浄に非常に効果的に働いてしまいます。
また、ヤクザや犯罪者が普通に銀行に口座を開き、これから逮捕或いは刑務所に入るので口座が凍結される前に全額引き出したりもしていました。これは実際筆者も何度も目撃していますし、都市伝説でもなんでもありません。
そして最大の問題点、日本で稼いだお金をテロリストやテロ支援国家、或いは反社へ送金できてしまっていた事実があります。
これら3点を国際社会は非常に危惧しており、特に9・11のあった米国は気が気ではない為、部会内でも厳しい意見が出ていたと聞いています。
そんなFATFに怒られまくっています。

どれくらい怒られているのか

それはもう生半可な怒られ方ではありません。
日本はこれまで三度の審査に落ちており、去年行われた第四次審査に落ちた場合、日本から海外への送金が禁止される措置が取られるとされています。事実上、海外への輸出へ依存している日本にとっては破産宣告と言ってもいいでしょう。
前項で書いた3点、基本的にはKYC及び送金管理がどれだけFATFの定める基準へ日本の銀行が到達出来るかが重視されており、金融庁は非常に神経質になっています。私が取締役を務める会社でも、金融庁へ何度も面談へ行きました。
官庁は現在、外部取締役を含む経営陣へ業務への理解及び積極的参加を求めており、名前貸しで会社の社長や取締役をしているなど言語道断という状況です。
また、金融業、特にオンラインサービスにおける安全性を非常に重視しており、これを満たせない企業は認めないという状況でもあります。

日本も怒られていますが、日本の金融会社も金融庁に怒られている状況でもあります。

そんな状況なのに起こってしまっている流出騒ぎ

数年前、有名なコインチェック事件が起きました。
丁度FATFの第四次審査が始まる前くらいでしたので、それまでも金融庁はピリピリしていましたが、一気に態度は硬化しました。丁度開業予定であった仮想通貨(現在では暗号資産と呼んでいます)業を行おうとしていた企業にとっては大損害となり、多くの企業が開業することが出来ず消えていきました。
世界に先駆けて仮想通貨に関する法律が出来たばかりであったにも関わらず、580億円相当もの流出を起こしたとなればそれも仕方ないと思います。

そんな事件があったにも関わらず、最近連続して起きているキャッシュレス決済の流出事件です。
これらは全て金融庁がFintech系企業へ全て求めてきた対策があったにも関わらず、キャッシュレス決済ではあまり行われていなかった事が原因で、主にKYCがぞんざい過ぎると言えます。

また、先日のゆうちょ銀行社長の会見も大変問題で、経営陣の積極的参加をしていない、セキュリティーへの対策の甘さが浮き彫りになったものでした。
あれが許されるのならば、金融庁が我々に求めていたものは何であったのか、という思いもあります。

今安全な銀行は、キャッシュレス決済方法は

正直に言ってしまいますが、日本の銀行で一番安全なのはUFJ銀行であると思います。
UFJ銀行のセキュリティやシステムは米国基準で作られているのでキャッシュレス系と提携出来なくなっています。米国はテロリストとの戦いに対し、非常に厳しい態度を取っていますので、マネーロンダリングや資金供与の可能性のあるものは禁止しています。

キャッシュレス決済はやはりクレジットカードが強いです。
不正な利用に対しては補償がされますし、不審な利用に関しては連絡が来たりもします。
また、保険関係も非常に充実していることから、安心して使いやすいといえます。
クレジットカードに自動的に付帯される、QuickPayやiDは比較的安全と言えると思います。
また、交通系決済(Suicaなど)も抜群のセキュリティを誇っており、上限金額を決めて利用したい場合は非常に有効であると言えるでしょう。

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