禅とマインドフルネス

ここ最近ストレスに対抗し、正確な判断を行うためにマインドフルネスを行う事にしています。
ストレスの元は他者から与えられたり環境から与えられたりするものもあるのですが、一番の原因はデフォルトモードネットワークで悪い思考や記憶が繰り返されて気分が沈んでいったり辛いままになってしまう事です。
そこでマインドフルネスを行い、脳のdlPFC(背外側前頭前野)を活性化させ、バランスを取り、悪い思考の循環から抜け出し色々なことに気づけるようになる事が目的です。
余談ですがdlPFCを活性化させると慢性腰痛から解放された、との報告もあります。
これは痛みの回路を抑制するdlPFCがストレス等で収縮し、働きが弱くなることでいつまでも痛い状態が続いてしまうということが原因のひとつとして言われています。

話しがズレてしまったので戻します。
ここ数年、マインドフルネスは非常に注目され、Googleやapple、IBM、Intel、Yahooなんかでも取り入れており、googleに至っては10人に1一人が実践しているようです。
医療の現場でも既に取り入れられていて、うつや睡眠障害、気分障害などの治療にも使われています。
うつの治療においては、投薬を続ける事で再発のリスクを抑える事が現在の治療の主流ですが、マインドフルネスを毎日行う方が再発率が低いという研究結果が出ています。
これは脳の扁桃体がストレスによって肥大化し、逆に海馬が収縮する事を防ぐ事で自律神経を乱さずにいられる為と言われており、実際にCTでもそれが確認されています。

さて、マインドフルネスは禅に似ているとよく言われ、座禅を習いに行く人もいます。
しかし、禅とマインドフルネスは似て非なるものです。
マインドフルネスは自分の感覚や感情を見つめ直し、心と体のバランスを取ることを目的としたものですが、それに対し禅とは釈迦の悟りを自分の内に見いだすものだからです。
元々の目的が違うので、”似て非なるもの”、という訳ですね。

自分はマインドフルネスの効果を即体感出来たタイプの人間ですが、やはり個人差があり、効果が出にくい人もいます。
これは幼少期から剣道を15年ほど続け、練習の後に黙想(禅)をしていた事で既にマインドフルネスに近いことを行っていた為、身体がそれに慣れているから即体感する事が出来たようです。
師範は、「黙想(禅)は呼吸を落ち着かせるためにやる」と言っていて良く分かっていなかった感がありますが、マインドフルネスの基本は自分の呼吸に集中し、心と体の感覚を研ぎ澄ますことなので知らず知らずのうちにそれを実践していた事になりますね。
医学的に言うなら、運動することでうつの原因と言われるキヌレリン分解を行い、黙想する事でα波を出し、dlPFCを活性化させ、心と体のバランスを調整するわけです。

ストレスの多い現代社会、これはあまりにも刺激となる事が多くなりすぎた為でもあります。
そこでマインドフルネスを行い、自分の心と体の感覚を見つめ直す時間が少しあっても良いのかもしれませんね。

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